居住中の自宅を売却する場合、内覧時の印象次第で購入希望者の意欲や売却価格に大きな差が出ることがあります。
少しの準備で物件の見え方が変わるため、事前にできる対策を押さえておくことが成功のカギとなるでしょう。
この記事では、居住中でも自宅をより良い条件で売るために有効な、案内時の具体的なポイントを解説します。
不要な荷物を片付けて部屋をきれいにする
住みながら自宅を売却する際は、室内の印象が購入希望者の判断を左右します。
そのため、不要な荷物を整理し空間を広く見せることが、高値売却への近道です。
以下では、荷物整理やトランクルーム活用、すっきり空間づくりのコツを解説いたします。
荷物
自宅の売却を検討する際は、まず不要な荷物を整理しましょう。
住み慣れた住居には、長年の生活でたまった物が多く、収納を圧迫して室内を狭く見せる原因となります。
そのため、整理は「すぐ使う物」「一時保管」「処分」の三つに分けると効率的です。
分類後は各箱に日付と内容を書けば、引っ越し後の荷解きも楽になります。
また、処分品は自治体の粗大ごみ回収やリサイクルショップなどを利用すると、手間と費用を抑えられます。
思い出の品は無理に手放さず、売却期間中は見えない場所へ保管してください。
さらに、居住中であることを踏まえ、「他人に見せる空間」として整える意識が成功を導きます。
すっきりした床面が広がると、図面上の数字以上に部屋が広く感じられる効果も期待できるでしょう。
くわえて、スケジュールを立てて一日一か所ずつ片付けると、作業負担を最小限に抑えながら計画的に進められます。
なお、紙の書類や写真は、デジタル化してクラウドに保存すれば、物理的な荷物が減り、災害時のバックアップにもなるため一石二鳥です。
トランクルーム
荷物の保管に困った場合は、トランクルームが便利です。
屋内型は、温湿度管理に優れており、屋外型は車で乗り入れられるため大型荷物に適しています。
また、季節物や大型家電を預けることで室内をすっきり保てるほか、必要な期間だけ利用できる点もメリットです。
短期契約が可能な業者も増えているため、売却活動のスケジュールに合わせて無駄なく利用できます。
なお、月額料金は1畳程度のスペースで数千円からが相場ですが、荷物量とコストを天秤にかけ、保管品の見直しをおこなうことも忘れないでください。
さらに、湿度変化が大きい地域では、防カビ剤や除湿剤を併用し、貴重品を預ける場合は保険の有無も確認しましょう。
すっきりみせる
「すっきりとした空間」は、購入希望者に好印象を与える基本です。
家具や家電は、動線を妨げない最小限に抑え、個人的な写真やコレクションは一時的に片付けます。
また、モデルルームを参考に家具配置と装飾の最小化を意識すると効果的です。
シンプルな室内は、生活のイメージを膨らませやすく、購買意欲を高めるきっかけになります。
さらに、壁クロスや建具の小さな傷も、目立つ箇所だけ補修しておくと、全体の品質が向上します。
クッションカバーやラグの色味を落ち着いたトーンで統一すると、さらに統制のとれた印象を与えられるでしょう。
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案内前に換気をする
住みながらの売却では、内覧前に換気をおこない、室内の空気を整えることが重要です。
こもった臭いや湿気を取り除くだけで、物件の印象が大きく改善します。
とくに、玄関を開けた瞬間に漂う空気は、第一印象を決定づけるため、最後の仕上げとして必ず新鮮な空気に入れ替えましょう。
また、窓を開けにくい冬場は、暖房を切ったうえで短時間の集中換気をおこなうと、室温低下を最小限に抑えられます。
気づきにくい
長年住むと生活臭に慣れてしまい、住人自身は気づきにくいものです。
湿気が増える季節は臭いも強まるため、こまめな換気で空気を入れ替えましょう。
また、定期的な換気習慣が売却期間中の室内環境を安定させます。
さらに、換気と合わせてカーテンを洗濯し、布製ソファやカーペットも天日干しすると消臭効果が高まるでしょう。
除菌スプレーや重曹を使った簡易クリーニングも短時間で実施でき、気づきにくい臭いの軽減に役立ちます。
くわえて、空気清浄機を使用している家庭はフィルターの交換時期を確認し、性能を最大限に発揮させましょう。
臭い
生活臭は、窓開放と換気扇の併用で軽減します。
ペット臭やたばこ臭は、家具や壁の拭き掃除、消臭剤、空気清浄機で対応しましょう。
カビ臭は水回りを乾燥させ、除湿機と清掃で予防できます。
また、ペット用トイレは内覧前に交換し、喫煙者はベランダなど屋外での喫煙に切り替えると効果的です。
なお、天然由来のアロマディフューザーを玄関に置くと、爽やかな香りで印象を底上げできますが、香りが強すぎないよう注意しましょう。
強い臭いが残る場合は、専門業者が使用するオゾン発生器の短期レンタルを検討すると効果が高いです。
すべての窓を開ける
内覧直前に対角線上の窓を開けると、空気が効率よく流れ、臭いと湿気を短時間で排出できます。
キッチンやバスルームでは換気扇も併用し、新鮮な空気を保ちましょう。
雨天で窓を開けにくい場合は、サーキュレーターで空気を循環させるだけでも清潔感が向上します。
また、日常的に窓周辺を拭き掃除しておくと、解放時に立ち上る埃を防げます。
さらに、網戸に穴が開いている場合は、補修テープで簡易修理しておくと虫の侵入を防げ、内覧者にも良い印象を与えるでしょう。
余裕があれば、窓枠のシリコン部分もカビ取り剤で手入れし、細部まで清潔に保ちましょう。
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照明器具をつける
照明を適切に使うと、物件の魅力と清潔感を最大限に引き出せます。
以下では、各部屋の照明について解説します。
すべての部屋
内覧時は、全室の照明を点灯して明るく広い印象を演出します。
リビングなどのくつろぎ空間は電球色、水回りは白色系を選ぶと生活をイメージしやすくなります。
また、照明器具と電球を事前に清掃し、クリアな光を保ちましょう。
自然光が入りにくい時間帯の案内でも、十分な光量があれば室内写真の写りも良くなります。
さらに、窓際にスタンドライトを追加すると、夕方の内覧でも陰影がやわらぎ、室内が広く感じられます。
くわえて、昼白色と電球色を組み合わせる「ツイン配光」を採用すると、時間帯を問わず快適でメリハリのある明るさを演出できるでしょう。
浴室
浴室は清潔感が重視されるため、明るいLED照明に交換してカビや汚れを感じさせない環境を整えます。
LEDは光量が安定し、省エネかつ長寿命な点もアピールポイントです。
また、鏡の水垢や排水口のぬめりを除去しておくと、照明の効果がさらに際立ちます。
湯垢が付着しやすい壁や天井を中性洗剤で拭き上げるだけでも、明るさが体感で変わります。
さらに、浴室乾燥機が付いている場合は、フィルター掃除をおこない、装置の機能性もアピールすると好印象です。
電球切れ
電球切れは管理不足の印象を与えるため、内覧前に全室を確認して交換しましょう。
明るさと色味を統一すると、空間に一体感が生まれ、LEDなら光熱費削減もアピールできます。
なお、高所の電球は内覧中に切れると危険なため、寿命が近い場合は早めに交換し、安全性を示すことが大切です。
また、演色性の高い電球を選ぶと、壁紙や床材の色味が正確に伝わり、購入希望者がインテリアをイメージしやすくなります。
さらに、予備の電球を数個用意しておき、当日急に切れた場合でも、すぐに交換できるよう備えると安心です。
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まとめ
居住中の物件を売却する際は、清掃や整理整頓などの工夫で、第一印象を大きく高めることが可能です。
照明や換気を活用して、明るく清潔な空間を演出すれば、内覧時の買主に好印象を与える効果があります。
満足のいく売却を実現するためにも、事前準備を丁寧に進めて物件の魅力を最大限に引き出しましょう。

株式会社たくみ スタッフブログ編集部
株式会社たくみは、出雲市で1976年に創業した不動産屋です。今やインターネットに賃貸・不動産情報は溢れております。あまたの物件からお客様にとって最適なものを探しだすことが弊社の使命です。ブログでは、物件探しのお役に立てる情報発信をします。