家を売却する際は、購入検討者の購買意欲を高めることが大切です。
その際の大きなポイントになるのは、購入検討者が実際に物件を目にする内覧でしょう。
そこで今回は、家を売却する際に押さえておきたい内覧の準備や、当日の対応について解説します。
内覧時の注意点も解説しますので、不動産の売却をご検討中の方は、ぜひご参考にしてください。
家の売却において重要な内覧のポイント①事前にしておくべき準備
内覧とは、購入検討者が物件を見学することです。
家の購入を検討している方は、チラシやインターネットなどで物件を探して、気になる家を見つけたら実際に見学します。
つまり、内覧を希望されたら、物件にだいぶ興味を持ってもらえていると考えられます。
ここで好印象を与えられると、売却につながる可能性が高まるでしょう。
内覧の準備の重要性
家は高額であり、購入検討者は慎重に検討するため、内覧しても成約につながらないことは多々あります。
一般的に、成約に至るまでの内覧回数は、5~10回ほどと言われています。
成約に至るかどうかは、購入検討者の好みやタイミングなどにもよりますが、内覧時の対応次第で変わることもあるでしょう。
たとえば、明るくて清潔感があると好印象につながり、成約に至る可能性が高まります。
反対に、室内が汚れていたり暗かったりすると、イメージと違う印象を持たれて、成約には至らないかもしれません。
売却につながるチャンスを逃さないためには、内覧時にできるだけ好印象を与えられるように、準備をしっかりとしておくことが大切です。
内覧の準備のポイント
内覧の準備でとくに押さえておきたいポイントは、以下の3点です。
●入念な掃除
●インテリアに配慮
●スケジュール調整
購入検討者に好印象を与えるためには、すみずみまで掃除をおこない、きれいな状態にしておきましょう。
第一印象につながる玄関や、汚れが気になりやすい水回りがきれいだと、より印象がアップする可能性があります。
また、掃除だけではなく、インテリアに配慮することも有効です。
近年は、売却する家を魅力的にコーディネートして販売促進につなげる、「ホームステージング」と呼ばれる手法が使われることも増えています。
プロに依頼しても良いですが、ご自身でも花や観葉植物を飾ったり、ラグマットやカーテンの色をそろえたりなど、できることはあります。
小さなことでも印象アップにつながる可能性があるので、いろいろと工夫してみましょう。
そして、スケジュール調整も大切なポイントです。
内覧は売却につながる重要な機会なので、できるだけ受けたほうが良いからです。
買主が決まるまでは、プライベートな予定はなるべく入れず、いつ希望されても対応できるように準備しておきましょう。
家の売却において重要な内覧のポイント②当日の対応
内覧は準備だけではなく、当日の対応にも大切なポイントがあります。
当日の対応で押さえておきたいポイントは、おもに3つあるので、それぞれ確認しておきましょう。
内覧当日のポイント1:快適に内覧できるよう配慮する
内覧当日は、購入検討者が見学に集中できるように、快適な環境づくりをすることが大切です。
内覧に集中できないと購買意欲が高まらず、家の売却にはつながらないでしょう。
具体的に実行したいポイントは、以下の3つです。
●快適な室温にする
●におい対策をする
●スリッパを準備する
室温はエアコンを使って、快適に過ごせる温度にしておきます。
季節によっては温度だけではなく、湿度にも気を配ったほうが良いので、加湿器や除湿機能などを使って環境を整えておきましょう。
また、家には特有のにおいがあるので、当日は購入検討者が訪れる前に換気をしておきましょう。
たばこを吸う方やペットがいる場合は、さらにしっかりとした対策が必要です。
消臭スプレーや芳香剤を使ったり、事前にカーテンを洗濯したりなど、できるだけにおいが気にならないように対策しておきましょう。
そして、スリッパを準備しておくことも大切なポイントです。
スリッパなしで他の方の家に入ることには、抵抗を感じる方もいるからです。
普段は使う習慣がなくても、内覧の際は人数分のスリッパを準備しておきましょう。
内覧当日のポイント2:部屋を明るくする
明るい部屋は好印象につながりやすいので、部屋の明るさは大切なポイントです。
カーテンを開けたり、電気をつけたりして、できるだけ明るく見えるようにしておきましょう。
窓ガラスや照明シェードが汚れていると、明るさに影響する可能性があるので、事前の掃除できれいにしておきましょう。
内覧当日のポイント3:アピールポイントを伝える
内覧当日は、売却する家の良さをアピールすると、購買意欲を高められるかもしれません。
とくに、売主だけが知っている近隣の情報は、購入検討者にとって興味深いものです。
たとえば、買い物に便利なお店や、外食におすすめのお店などを伝えると、購入検討者はその家での生活をよりリアルにイメージできるでしょう。
子育て中の世帯には、周辺の学校や、子どもと遊ぶのにおすすめの公園などの情報も喜ばれます。
近隣に住んでいる方の情報も、プライバシーに配慮しながら伝えると、ご近所付き合いに関する不安を軽減できるでしょう。
家の売却において重要な内覧のポイント③押さえておくべき注意点
内覧では、押さえておくべき注意点があります。
注意点を把握していないと、内覧をしても、なかなか売却につながらない可能性があります。
そこで、とくに押さえておきたい注意点を3つ、確認しておきましょう。
内覧における注意点1:生活感を出し過ぎない
生活感がありすぎる家を見ても、購買意欲は湧きにくいものです。
たとえば洗濯物が散乱していたり、ゴミ箱にゴミがたまっていたりすると、「この家を買いたい」と思ってもらうことは難しいかもしれません。
そのため、当日はできるだけ私物を片付けておきましょう。
すでに新居が決まっている場合は、引っ越しを済ませてから内覧をおこなうと、広くてスッキリとした印象を与えることができます。
新居が決まっていない場合でも、今後使う予定のない家具や私物は処分しておくと、印象アップにつながるでしょう。
また先述のとおり、内覧は1回で終わるとは限らず、複数回おこなうことになるケースが多いと考えられます。
内覧のたびに部屋を片付ける必要があるので、少しでも手間が軽減するように、不要なものは早めに処分しておきましょう。
内覧における注意点2:アピールしすぎない
売却する家の良いところをアピールすると、購入検討者の購買意欲が高まる可能性があります。
ただし、積極的にアピールしすぎると、印象が悪くなってしまうことがあるので注意が必要です。
基本的には、質問されたときに回答するくらいに留め、その際にプラスアルファの情報をさりげなく提供できると良いでしょう。
内覧時は適度な距離感を保ち、自由に見てもらいましょう。
内覧における注意点3:不確実なことは確認する
内覧では、購入検討者からさまざまな要望を受けることがあります。
その際は、できるだけ応じたほうが、早く家を売却できると思うかもしれません。
けれど、売主と購入検討者だけで気軽に口約束をして、あとから無理だとわかると、トラブルになる可能性があります。
不確実なことはすぐに了承せず、仲介する不動産会社に確認してから回答しましょう。
まとめ
内覧は、家を売却する際の重要なポイントです。
内覧時の印象が良いと、売却につながる可能性が高まるので、事前準備や当日のポイントをしっかりと押さえておきましょう。
物件のアピールも有効ですが、アピールしすぎると逆効果になる可能性があるので、注意点として覚えておきましょう。