不動産のなかには、一般的な不動産と比べて売れにくい物件も存在しています。
該当する不動産がどうして売れにくいのかを知っておけば、売却の際の参考になるでしょう。
そこで今回は、売れにくい不動産にあたる再建築不可物件、テラスハウス、賃貸併用住宅とは何かについてご紹介します。
再建築不可の不動産が売れにくいと言われる理由
再建築不可の不動産とは、現在建っている建物を解体すると、それ以上新しい建物を建てられなくなる不動産のことです。
そのような再建築不可の不動産は、建て替えができない分、売れにくい傾向にあります。
不動産が再建築不可になる主な原因には、その不動産が接道義務を満たしていないことが挙げられます。
接道義務とは、土地に建物を建てるためには幅員4m以上の道路に2m以上接していなければならないとする建築基準法上の義務です。
接道義務を満たしていない不動産は、建物の建て替えや増築、改築などをおこなえません。
不動産の用途が限られる
再建築不可の不動産が売れにくい理由は、不動産の用途が限られるためです。
建て替えができないと、万が一不動産が災害などで倒壊しても再建することができません。
既存の建物についてはリフォームが可能ですが、大規模なリフォームには許可が下りない場合があります。
また、再建築不可の物件は建物が古いことが多く、需要が低い傾向にあるでしょう。
資産価値が低いため、住宅ローンを利用して購入することも難しく、一般的な不動産よりも売れにくくなります。
再建築不可の不動産を売る方法
再建築不可の不動産を売る方法として、不動産会社への買取依頼があります。
不動産会社によっては、再建築不可の不動産であっても活用方法を持ち、買取をおこなってくれる場合があるでしょう。
また、隣地の所有者に土地を買い取ってもらう、または隣地を購入して合筆し、接道義務を満たして再建築不可を解除する方法も考えられます。
該当の不動産が空き家であれば、空き家バンクを利用して買主を探す方法もあります。
空き家バンクとは、自治体から委託を受けた団体が運営し、空き家の売主と買主をマッチングさせるサービスです。
さらに、不動産の立地が良好で、建物が比較的新しいなどの条件が整っていれば、再建築不可でも売れる可能性があります。
良好な立地条件とは、人気のあるエリアで最寄駅から徒歩5~10分圏内、市街地まで自動車で10分圏内などの条件を備えたエリアです。
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テラスハウスが売れにくい不動産と言われる理由
テラスハウスとは、長屋や連棟式建物とも呼ばれる形式の建物です。
独立した住戸が壁を接して水平方向に連なっている建物であり、集合住宅の一種になります。
共用の廊下などがあるわけではなく、各住戸に直接出入りでき、一戸建てに近い住み心地になっているのが特徴です。
その一方で、テラスハウスは一般的な不動産よりも売却が難しい傾向にあります。
1戸の所有者単独での建て替えが難しい
テラスハウスが売れにくい理由は、1戸のみを所有している場合、単独で建て替えやリフォームが難しいためです。
隣戸と壁が接しているため、1戸だけを解体して建て直すことができず、取り扱いが難しくなります。
仮に住戸を切り離して工事をおこなう場合でも、騒音や振動への配慮や隣戸への補強工事が必要となり、他の所有者の承諾を得る必要があるでしょう。
また、切り離して独立させた住戸は現行の建築基準法を満たす必要があります。
そのため、住戸が狭く、幅員4m以上の道路に2m以上接していない場合、接道義務を満たさず、再建築不可となる可能性があります。
再建築不可になると、再建築可能なテラスハウスよりもさらに売れにくくなるため、注意が必要です。
さらに、切り離した後の別の住戸も接道義務を満たす必要があり、切り離す側が配慮しなければなりません。
テラスハウスを売る方法
テラスハウスは売れにくい不動産の一つですが、売却方法がないわけではありません。
仲介での売却は難しいものの、不動産会社への買取依頼であれば売れる可能性があります。
テラスハウスは資産価値が低く、一般的な不動産と比べて売却価格が下がりやすいです。
そのため、不動産会社への買取依頼で相場価格の6~7割程度になることがあっても、仲介による売却価格との差がそれほど大きくない場合があります。
また、隣の住戸を買い取り、再建築しやすい状態にして一戸建て住宅を建てる方法も考えられます。
逆に、そのテラスハウスの場所に一戸建てを建てたいと考えている隣の住戸の所有者に買い取ってもらうよう打診することも可能です。
ほかの所有者の承諾を得て、共同で建て替えてから売却する方法もあります。
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賃貸併用住宅が売れにくい不動産と言われる理由
賃貸併用住宅とは、賃貸物件とその大家さんの住宅が1つの建物にまとまっている不動産のことです。
自分の住宅と賃貸経営用の物件を一度に手に入れられるのが特徴ですが、一般的な不動産と比べて売れにくい傾向にあります。
住宅ローンを利用して購入できる収益物件ではあるものの、そもそも賃貸経営のために賃貸併用住宅を購入する方は少ないです。
他人同士が1つの建物で生活することになる
賃貸併用住宅が売れにくい理由は、他人同士が1つの建物で生活することを前提に設計されているためです。
2階建ての建物では、1階を住宅として使用し、2階を2~3戸に分けて賃貸物件にすることが一般的です。
もし賃貸併用住宅として使われていた建物を家族用の住宅として購入する場合、この構造が不便に感じられることがあります。
通常の住宅として使用するためには、賃貸併用住宅をリフォームして一般的な一戸建てに近づける必要があるでしょう。
また、賃貸併用住宅として使用し続ける場合でも、自宅として使用している物件に他人が出入りすることがストレスになることがあります。
このような理由から、賃貸併用住宅は売れにくい傾向にあります。
マーケットが小さい
賃貸併用住宅が売れにくい理由の一つは、そもそものマーケットが小さいことです。
賃貸物件としては戸数が少なく、利回りが低いため、投資向きでないと考えられることがあります。
居住スペースに加えて貸し出す部分が広くなるほど総面積が大きくなり、その結果総額が高くなる傾向があり、これもデメリットとなるでしょう。
こうした事情から、賃貸併用住宅は需要が低く、マーケットが狭い傾向にあります。
賃貸併用住宅を売る方法
賃貸併用住宅は、不動産投資家に売却する方法と一般の方に売却する方法があります。
基本的には、物件の相場価格と購入の可能性が高い客層をリサーチしたうえで、その客層に合ったアピールポイントをまとめることが重要です。
不動産投資家向けに売却する場合、周辺に競合となる物件があるかを確認し、その物件ならではの収益性をアピールすることが効果的です。
半径300~500mの範囲内に競合物件があるかを調査し、まとめておくことで購入希望者にとっての判断材料となります。
一般の方に売却する場合、住宅としてのリフォームにくわえて、二世帯住宅としての利用をアピールすることも可能です。
さらに、修繕やリフォームの履歴があれば、まとめておくことをおすすめします。
インスペクションを実施し、不動産に瑕疵がないかを専門家に確認してもらったあとに売り出す方法もあります。
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まとめ
売れにくい不動産には、再建築不可物件やテラスハウス、賃貸併用住宅などのパターンがあります。
これらの不動産は、不動産会社に買取を依頼したり、売れにくさの原因になっている部分を解消したりすると売却できる可能性があるでしょう。
売れにくい不動産を売るときは、売却するターゲットをどこに絞るかも重要になります。
株式会社たくみ スタッフブログ編集部
株式会社たくみは、出雲市で1976年に創業した不動産屋です。今やインターネットに賃貸・不動産情報は溢れております。あまたの物件からお客様にとって最適なものを探しだすことが弊社の使命です。ブログでは、物件探しのお役に立てる情報発信をします。