
不動産の売却を検討し始めたら「不動産査定書」の作成を検討しなければなりません。
しかし、不動産業界に携わったことがない方にとっては聞き馴染みがなく、不動産査定書とは何かわからない方もいるでしょう。
今回は、不動産の売却を考えている方向けに不動産査定書の概要、見方やチェック時のおすすめポイントとあわせて解説します。
不動産売却における不動産査定書とは

不動産を売却する前に把握しておきたいのが不動産査定書の概要です。
不動産査定書とは
不動産査定書とは、査定価格や根拠など不動産の査定結果をまとめた書類です。
不動産の売却に向けて査定を依頼すると、不動産査定がおこなわれたあとに依頼先から売主へと不動産査定書が送られます。
不動産査定書は査定の依頼先により、不動産会社による不動産査定書と不動産鑑定事務所による不動産査定書の2種類に大別可能です。
種類の違いに応じて特徴が異なるため、不動産の売却手続きを進める前に確認しておきましょう。
不動産会社が作成する不動産査定書
不動産会社が作成する不動産査定書とは、不動産の売主からの依頼を受けた不動産仲介会社が不動産を査定し、結果をまとめたものです。
売主が不動産仲介会社に不動産査定を依頼する目的は、売却を予定している不動産の相場価格あるいは市場価格の把握で、不動産の売り出し価格の参考として用いられます。
不動産仲介会社に査定を依頼すると早ければ査定当日、遅くとも1週間程度で不動産査定書を作成してもらえるため、すぐにでも不動産を売却したい方に向いています。
ただし、訪問査定や類似物件の調査を含む「詳細査定」は、1週間以上かかることもあり、机上査定よりも精度が高いですが手間と時間がかかることを覚えておきましょう。
また、不動産仲介会社が作成する不動産査定書の特徴として、作成料が発生しないことも重要なポイントの一つです。
仲介査定書は一般に売り出しの参考用で、相続や裁判など公的な場面では鑑定評価書ほどの証拠力は期待できない点に注意しましょう。
必要に応じて鑑定評価書を取得することを検討してください。
不動産鑑定事務所が作成する不動産査定書
不動産鑑定事務所が作成する不動産査定書とは、不動産鑑定士が査定し、結果をまとめた書類です。
不動産鑑定事務所が作成する査定書は、一般的には資産管理や企業会計など売却以外の目的で使われます。
売却以外の目的で利用されることが多いですが、相続や離婚、税務申告など公的・法的な場面で売却価格の根拠として求められる場合もあるでしょう。
ただし、相続・遺産分割・税務申告など公的・法的な場面では、売却時でも鑑定評価書の提出が求められることがあります。
仲介会社による査定は多くの場合無料ですが、鑑定士に正式な鑑定評価を依頼すると有料になることも覚えておきましょう。
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不動産売却における不動産査定書の見方

不動産査定書の概要を把握したら、次は不動産査定書の見方を確認しましょう。
見方1.項目
手元に届く不動産査定書には、主に不動産の概要や査定価格の結果、不動産を売却後の手取り額が記載されています。
査定した不動産の概要は所在地と種類にくわえて、地目や不動産があるエリアに設定された用途地域、敷地の接道面積に最寄り駅までの歩行時間など、情報量が豊富です。
不動産査定に用いた情報がまとめられているため、不動産査定書が届いたら各項目に目を通しておくと良いでしょう。
査定価格の結果をまとめた欄からは、評価の内容や査定結果の根拠など査定に関する具体的な内容が見てとれます。
また、不動産の売却後における手取り額の欄には、不動産の売却価格と売却するために必要となる諸経費がまとめて記載されているため、あわせて確認してみてください。
見方2.不動産の査定価格
不動産査定書の中央付近にまとめられた査定価格の欄は、対象となる不動産の査定評価額がまとめられています。
ただし、不動産の査定価格は、依頼先の不動産仲介会社が予測を立てて査定した結果であり、査定額に幅を持たせるのが一般的です。
そのため、不動産査定書において査定額は断定されず、上限価格と標準価格、確実価格として3パターンの査定価格が記載されるケースもあります。
なかには上限価格と標準価格、下限価格の名称が用いられる査定書もありますが、意味は同じと捉えても問題ありません。
見方3.査定価格の根拠
売却する不動産の査定価格の下には、査定価格を決めた根拠がコメントとして記載されます。
内容を見てみると、不動産の周辺環境や交通の利便性、隣地との状況などが査定結果に及ぼした影響などが確認できます。
ほかにも、日当たりの良さや日照関係など、住み心地に関する情報を踏まえて評価した旨が記載されることもあるため、見方として覚えておくと役立つでしょう。
記載方法は、文章あるいはコメントなどのほか、査定額を出すために用いた計算式を示して加点および減点した部分を明確にするものもあります。
手元に不動産査定書が届いたら、査定価格だけでなく概要や根拠を含めて全体的に一度目を通すことをおすすめします。
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不動産売却における不動産査定書のチェックポイント

不動産を売却する前に不動産査定書を受け取ったら、目を通すなかで3つのポイントを重点的に確認してみてください。
チェックポイントは「総額」「流通性比率」「見やすさ」の3つです。
ポイント1.総額
不動産査定書の見方として大事になるのが、売却する予定の不動産の総額です。
とくに住宅ローン残債がある状態で不動産を売却する予定の方は、総額のうちもっとも低い査定価格をチェックし、残債との比較をおこないましょう。
低い査定価格が住宅ローン残債を上回るのであれば、売却価格が安くなってもローンの完済が可能であり、自己資金で補填する必要がなく安心して売却活動を進めやすいです。
ポイント2.流通性比率
不動産査定書に記載される流通性比率とは、査定対象が売却しやすい不動産かどうかを表す指標です。
査定書では0.85~1.1まで、基準値は1に設定されています。
基準値を境に流通性比率がマイナスになると売却が難しく、反対にプラスに近付くほど売却しやすい不動産といえるのです。
不動産査定書に目を通し、流通性比率が1以外の数値が記載されていたら、査定の依頼先に問い合わせて根拠を尋ねましょう。
不動産市場に対する不動産仲介会社の考え方にくわえ、不動産がどのように売却できると考えているかがわかります。
プラスにせよマイナスにせよ、基準値ではない流通性比率を確認し次第、不動産仲介会社に連絡してみてください。
ポイント3.不動産査定書の見やすさ
不動産査定書の確認時は、見やすくまとめられているかどうかも重要なポイントです。
見やすい不動産査定書を作成できる不動産仲介会社は、売却活動で用いるポスティングチラシや不動産情報を掲載するサイトのデザインが優れている可能性が期待できます。
興味を惹くデザイン性の高い広告を作成してもらえれば、不動産の購入を希望する方への良いアピールとなり、不動産の早期売却につながることもあるでしょう。
依頼先が購買意欲をかき立てる魅力的な広告を作成できる不動産仲介会社か否か判断する材料として、不動産査定書のデザインは有効性が高いといえます。
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まとめ
不動産査定書とは、売却したい不動産の査定価格や根拠などを記載した書類です。
不動産の概要や査定価格などが確認できますが、見方としては査定価格および根拠の重要度が高いといえるでしょう。
不動産査定書を受け取ったら査定総額や流通性比率、見やすさを確認し、依頼先に問い合わせて気になる点を確認してみてください。

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