住宅に取り付けるサッシには、さまざまな材質の種類があります。
材質によって断熱性能が異なり、室内の快適度や冷暖房効率などが大きく変わるため、慎重に選ぶことは大切です。
そこで今回は、アルミサッシと樹脂製窓の断熱性能の違い、複層ガラスの性能について解説します。
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窓の断熱性能の比較①アルミサッシ
日本の窓の80%には、アルミサッシが使用されており、もっとも普及率の高い素材です。
ここでは、アルミサッシのメリット・デメリット、アルミ樹脂複合サッシについて解説します。
アルミサッシのメリット
アルミサッシに使用されているアルミは、軽量ながら耐久性があり、腐食やさびに強い素材です。
軽量であるため、日常の窓の開け閉めが力の負担なくおこなえるメリットがあります。
加工がしやすく、強度が高いため、枠を細くして見た目がスタイリッシュなデザインにすることもできます。
また、他の素材と比較して安いコストで導入できる点もメリットです。
アルミサッシのデメリット
アルミは熱を伝えやすい素材であるため、アルミサッシは断熱性能が低いといえます。
断熱性能が低いと、結露が生じやすいデメリットもあります。
室内環境が暑さ・寒さに影響されやすい点も、断熱性能の低いアルミサッシのデメリットです。
先述したように、日本でのアルミサッシの普及率は高いですが、近年では省エネ性能が求められるようになり、新築住宅での導入は減少していくとみられます。
アルミ樹脂複合サッシについて
アルミ樹脂複合サッシとは、室外側をアルミ、室内側を樹脂で構成しているサッシです。
アルミと樹脂のそれぞれのメリットを併せ持っているのが特徴です。
断熱性能は、樹脂サッシに劣りますが、アルミの丈夫さや耐久性などの性能も持っています。
樹脂サッシは、紫外線に弱い特性を持つため、日が当たりやすい南面や西面のみアルミ樹脂複合サッシを使用するなどの選択肢もあります。
アルミ樹脂複合サッシの価格は、樹脂サッシよりは安く、アルミサッシよりは高い価格帯です。
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窓の断熱性能の比較②樹脂サッシ
樹脂サッシとは、主に塩化ビニール樹脂によって構成されているサッシです。
国内では寒冷地を中心に使用されていますが、本州ではあまり普及していないのが現状です。
ここでは、樹脂サッシのメリット・デメリット、耐久性について解説します。
樹脂サッシのメリット
樹脂サッシのメリットは、断熱性が高い点です。
樹脂はアルミと比較して、熱伝導率が約1,000分の1の素材です。
そのため、樹脂サッシを使用している家はアルミサッシと比較した場合、夏は室内温度が2℃低く、冬は4℃高いとの実験結果もあります。
断熱性が高いと、結露が起こりにくく、カビやダニも発生しにくいメリットがあります。
また、樹脂サッシは気密性にも優れているため、遮音効果がある点も特徴です。
遮音性が高いと、外からの騒音が聞こえにくく、室内で静かに過ごせます。
室内の音が外に漏れ出る心配も少なくて済むでしょう。
樹脂は、加工・着色がしやすく、デザインが豊富である点もメリットです。
一般的な引き違い窓だけでなく、上げ下げ窓や外開き窓など、さまざまなデザインの窓に対応できます。
樹脂サッシは、複層ガラスなどの耐熱性能が高いガラスと一緒に使用すると、断熱効果がより高まります。
冷暖房の効率が良くなるため、導入すると省エネ性が高い住宅が作れるでしょう。
樹脂サッシのデメリット
樹脂サッシのデメリットとして、価格が高い点が挙げられます。
樹脂サッシの本体価格は、アルミサッシの2倍程度が相場です。
樹脂サッシは、アルミサッシに比べて強度が低いため、厚みを出して強度を上げている場合が多いです。
それにより、重量が増え、開閉には力が必要になる可能性があります。
力が弱い方にとっては、日常的な開閉の負担がデメリットに感じるかもしれません。
また、樹脂には紫外線に弱いという特性もあります。
そのため、樹脂サッシは日光が強く当たる方角の窓には、あまり適していないといえます。
ただし、外壁塗装で専用の塗料を使用し、紫外線による劣化を防ぐ方法も選択可能です。
樹脂サッシの耐久性
樹脂サッシの耐久年数は30～50年程度です。
使用箇所や使用状況によって、寿命には大きく差が出る場合があります。
樹脂サッシの劣化の主な原因は紫外線で、劣化すると表面に白い粉が出てくる「チョーキング現象」が生じます。
窓のサッシの寿命は、適切な時期にメンテナンスをおこなえば、ある程度延ばすことが可能です。
劣化が進んできたら、塗装を施せば紫外線からの影響を軽減できます。
サッシ用塗料の耐用年数は5～10年程度で、外壁と同じく定期的なメンテナンスが必要です。
また、紫外線の影響を減らすために、家の日当たり状況によって、方向ごとにサッシの素材を使い分ける方法も検討できます。
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窓の断熱性能を高める複層ガラスについて
サッシにくわえて、窓ガラスの素材にこだわれば、窓の断熱性能をより高められます。
ここでは、複層ガラスの種類として、ペアガラス、真空ガラス、ガス封入、トリプルガラスに分けて解説します。
ペアガラス
ペアガラスとは、ガラス2枚で構成されているタイプを指します。
2枚のガラスの内側にある空気層により、断熱性能が高まります。
空気層の厚さによっても、断熱性能は異なりますが、6～12mmの厚さにしている製品が一般的です。
真空ガラス
真空ガラスは、複層ガラスの内部の中間層が真空になっているタイプです。
真空には空気がないため、熱伝道も対流も起きません。
空気層のある複層ガラスと比較して、薄くても高い断熱性能と防音性を持つのが特徴です。
真空ガラスは薄いため、単層ガラス用の窓サッシでも使える場合があり、使いやすさにおいても優れたガラスであるといえます。
ガス封入
複層ガラスの中間層にアルゴンガスやクリプトンガスを封入するタイプのガラスです。
これらのガスは、空気よりも熱を伝えにくい性質を持つため、空気を封入する場合よりも高い断熱性能を発揮します。
クリプトンガスは、アルゴンガスよりも断熱性能が高く、封入するガスの性能によって価格はより高くなります。
トリプルガラス
トリプルガラスは、ガラスを3枚使用するため、中空層が2つあります。
中空層が1つのペアガラスよりも、より高い断熱性能を発揮するのが特徴です。
トリプルガラスもペアガラスと同様、空気やガス、真空層を注入するタイプがあります。
トリプルガラスは、北海道や東北地方などの寒冷地を中心に採用されていますが、一般的なハウスメーカーではオプション対応とされているケースが多いです。
5枚ガラス
5枚ガラスは、トリプルガラスよりも、さらに上位の構造を持つガラスです。
5枚のガラスの間に3つの中空層を持ちます。
断熱性能もトリプルガラスよりも、さらに高くなる一方で、導入コストも高額です。
5枚ガラスも寒冷地で採用される場合がありますが、一般的な普及率は低い窓ガラスです。
断熱性能だけで選ぶなら、5枚ガラスがもっとも優れているといえます。
しかし、寒冷地以外に住んでいる方であれば、断熱性能以外の性能も検討しつつ、設置箇所に適した窓ガラスを選ぶことをおすすめします。
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まとめ
アルミサッシは、耐久性が高くコストが安いメリットがある一方で、断熱性能は低い素材です。
樹脂サッシは、アルミサッシの2倍程度のコストがかかりますが、断熱性能に優れている特徴があります。
サッシの素材選びにくわえて、窓ガラスもペアガラスやトリプルガラスなどの複層ガラスを選べば、窓の断熱性能をより高められます。
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株式会社たくみ スタッフブログ編集部
株式会社たくみは、出雲市で1976年に創業した不動産屋です。今やインターネットに賃貸・不動産情報は溢れております。あまたの物件からお客様にとって最適なものを探しだすことが弊社の使命です。ブログでは、物件探しのお役に立てる情報発信をします。
